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カテゴリ:Tanka
  • 街角の歌 ――黒瀬珂瀾――
    [ 2009-06-19 18:00 ]
  • セロファンの鞄 ―野口あや子―
    [ 2009-05-23 18:00 ]
街角の歌 ――黒瀬珂瀾――
5月2日

ふわふわの耳を重ねてねむる猫<空室アリ>の輝く街に  東 直子

 アパートかマンションか、それとも貸し店舗か。<空室アリ>の看板が新しい入居者を待ち構える横で、猫はあくびをして眠りにつく。住人がころころと入れ替わる様子にも、まるでワレ関セズといった具合だ。重ねて閉ざされた耳が、人間への無関心を表しているようにも思える。でも、もしかしたら、何も無いということに我慢しきれず、部屋に何かを詰め込もうと焦る私たちこそが、この猫のふわふわの眠りを欲しているのではないだろうか。  (『青卵』平成13年刊)

以上、抜粋。

■『街角の歌 365日短歌入門シリーズ』 2008年4月1日初版発行 ふらんす堂
by takeuma333 | 2009-06-19 18:00 | Tanka
セロファンの鞄 ―野口あや子―
セロファンの鞄にピストルだけ入れて美しき夜の旅に出ましょう

ローソンの灯りに君の頬白く冷えゆく夜をふたり漂う

シャボン玉を宙に浮かせるその力で指輪を作って僕にください

封切った缶のドロップいつだって残る薄荷の話をしよう

焦点の合わぬレンズの輝きのようなあなたに会いにゆきます

以上、抜粋。


●『歌集 くびすじの欠片』  野口あやこ
「どう思われますか? 教えてください」という返信が来た。自分自身を確かめようとしている。そう思われた。2005年1月。彼女は17歳だった。  加藤治郎 (帯より)
2009年3月3日 印刷発行  短歌研究社
by takeuma333 | 2009-05-23 18:00 | Tanka