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5月2日
ふわふわの耳を重ねてねむる猫<空室アリ>の輝く街に 東 直子 アパートかマンションか、それとも貸し店舗か。<空室アリ>の看板が新しい入居者を待ち構える横で、猫はあくびをして眠りにつく。住人がころころと入れ替わる様子にも、まるでワレ関セズといった具合だ。重ねて閉ざされた耳が、人間への無関心を表しているようにも思える。でも、もしかしたら、何も無いということに我慢しきれず、部屋に何かを詰め込もうと焦る私たちこそが、この猫のふわふわの眠りを欲しているのではないだろうか。 (『青卵』平成13年刊) 以上、抜粋。 ■『街角の歌 365日短歌入門シリーズ』 2008年4月1日初版発行 ふらんす堂
セロファンの鞄にピストルだけ入れて美しき夜の旅に出ましょう
ローソンの灯りに君の頬白く冷えゆく夜をふたり漂う シャボン玉を宙に浮かせるその力で指輪を作って僕にください 封切った缶のドロップいつだって残る薄荷の話をしよう 焦点の合わぬレンズの輝きのようなあなたに会いにゆきます 以上、抜粋。 ●『歌集 くびすじの欠片』 野口あやこ 「どう思われますか? 教えてください」という返信が来た。自分自身を確かめようとしている。そう思われた。2005年1月。彼女は17歳だった。 加藤治郎 (帯より) 2009年3月3日 印刷発行 短歌研究社 < 前のページ次のページ >
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